QSV 20121221

2012年12月21日 金曜日 by かわもと眼科院長

昨日は冷えました!今日は雨のようです。

 

昨日は宇部でドライアイの講演会がありました。予定時間を大幅に過ぎて講演会が始まりました。

ドライアイは年々患者さんが増えている眼の疾患です。講演会では推定800〜2000万人の患者さんがいるということです。実際かわもと眼科でもドライアイの患者さんが多く,治療に苦慮する事も経験します。

講演会ではドライアイを引き起こすリスクファクター(危険因子)に基づいて治療方法を考えていこうというコンセプトでした。分かりやすく,実際の臨床(日常の診察)に役立つ内容でした。

ドライアイでは近年,2つの新しい点眼薬が相次いで発売されました。ジクアホソルナトリウム点眼液とレバミピド点眼液です。似たような作用を持つこれらの点眼ですが,この2つの点眼液はNHKの「ためしてガッテン」で紹介され,一躍有名になりました。かわもと眼科でもこの点眼薬を処方して欲しいという患者さんが一時期増えました。

メディアの力というのは恐ろしいというか,誤解を招きやすというか。テレビを見た全く適応のない患者さんが,「視力が良くなるから」処方してほしいと,この薬を希望されていました。果ては,お子さんが最近視力が低下している(近視が進行しているのですが)ので,この薬で視力が回復するはずだ!というお母さんまで現れました。このような場合,マスコミは決して責任を取ることはありません。また彼らは官僚と同様に,「言い逃れ,責任逃れ」に関しては超一流のスキルを持っています。こうした事態に眼科医の中には,「迷惑だ」と言っている人もいますが,そこは眼科医の力量にかかるところでしょう。「適応でない」ということをどれだけ上手に患者さんとコミュニケーションをとるのか?これは医者の大切なスキルの一つです。マスコミや官僚などの姑息なスキルに比べれば,善意に溢れた高貴なスキルです。

 

QSV: Quest for Super Vision(究極の見え方の追求)

ドラのんた:毎週金曜日午後6時半からFMわっしょい(76.7MHz)で放送中